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グループそのままってどんなところ?!

「グループそのままって、どんなところ?安全なの?何をするの?」などなど質問されることがあります。このページはHP「でこぼこ生活研究所」の特集PickUpで2012年5月に紹介された記事とイラストを更に発展させて作りました。

「グループそのまま」の雰囲気が少しでも伝われば幸いです。

発達障害当事者グループ「グループそのまま」活動紹介

Q1.まずは、当事者会の簡単な紹介をお願いします!
(会の名前、活動地域、会の方針や基本的な考え方など)

A1.こんにちは。発達障害当事者グループの「グループそのまま」です。私たちは、現在のところ、月に1回、大阪と2ヶ月に1回、京都でBASICコースのグループワーク(定例会)を開催し、そして、2ヶ月に1回、大阪でADVANCEコースのグループワークを1種類開催しています。

これらのグループワークは、10名前後の少人数制で、ワークの内容は主にフリートークです。

私たちは、発達障害としての当事者性や理解者である事を大切にしています。なのでスタッフも参加者も、当事者同士または理解者なので、理解を示しやすく、ざっくばらんに話しやすいのではないかと思っています。

また、自主性も大切にしています。何事も自分のペースで自分らしくあって欲しいと願っています。協力するしない、会話に参加するしないについても、無理しない範囲内でしてもらえればと思っています。

そして、グループワークの中で、参加者一人ひとりが自分自身に気づき、少しでも生き辛さを解消していければいいな、と思っています。

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Q2.どんな人が運営しているのですか?
運営のなかで、何か工夫や配慮しておられることはありますか?

A2.現在のところ、参加スタッフは5名です。そのうち世話人として主にグループを運営するメンバーは、発達障害の当事者が3名、定型の方が1名です。そして、いざというときのスーパーバイズとしてコア・サポートスタッフがあります。そのコア・サポートスタッフは、定型の方の1名です。定型の方も、発達障害の方も、理解のある人は本当に心強い仲間です。

定例会などの運営の中で工夫している事としては、特に場の安全性を守る事に注意を払っています。

「ありのまま」の自分を出して自分自身の話をしても大丈夫なんだと参加者が自然に思えるように安心できる雰囲気や空間をつくる事を心がけています。なので、参加者さんが傷つく事がないように、例えば、「他者への批判や攻撃はしない」「場で起こった事や、人の発言などをグループ外で話さない」「商売や政治的勧誘、宗教団体の勧誘などをしない」などの決まりがあります。

そのように決める事で、ここが安心安全の場所で、ここは「自分の居場所」なんだ、ありのままでここに居ていいんだと参加者自身が自分でそう感じられて、自分探しや自己肯定感につなげられればいいなあと思っています。

また、配慮としては、グループに意味のあるものを活性化させたり、グループから離れる人が居ないかサポートしたりする役目として、グループにファシリテーターをおいています。

ファシリテーターとは「場の促進者」と訳されたりしますが、ここでのファシリテーターは場を仕切ったり、先導していったりする役目ではありません。どちらかというと参加者と同じように語りたいときには語り、語りたくないときには語らないというスタンスで、それでいながら、場の全体を眺め、個々の参加者さんの動きも見て、安全に進んでいるかどうかなどを見守る役目をしています。

もちろん、ファシリテーターに頼らず、一人ひとりが自然にそして、主体的にお互いの気持ちを大切にして動いていけると、さらに素敵な感じがすると思います。それを目指していますが、まずは、安心安全に感じられるような場になればと願っています。

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Q3.どんな人が参加しているのでしょうか?
(どのような人を対象にしていますか?)

A3.発達障害かも?と思って、このグループに興味がある方ならどなたでも参加可能です。ただ、今のところ大人の方を対象にしていますので、18歳以上の方で、高校生の方は不可です。ご了承願います。

参加者は、性別上で言えば今のところ、男女6対4くらいでしょうか。年齢は20代から40代の方が多いです。お仕事はされている方、されていない方など、いろいろです。一人暮らし、家族と同居、また、パートナーと生活されている方もいらっしゃいます。

その他、少数ですが、支援者側の勉強のために来られる場合もあります。ですが、支援者側と言ってもみなさんと同じように、1メンバーとして参加いただいています。

Q4.発達障害の未診断で「自分は発達障害かも…でも、どうしたらいいか分からない」と悩んでいる当事者さんでも相談や参加ができますか?

A4.診断はなくても大丈夫ですよ。「自分は発達障害かも」と思ってらっしゃる方ならどなたでも参加できます。何かの本を読んだり、人に指摘されたりして、何か思い当たる感じがして、発達障害かもと思えたのかもしれませんね。きっと今まで、何か辛かったり、人に分かって欲しいのに分かってもらえなかったりした経験があるのだろうと想像します。

一緒に悩みを分かち合ったりしていく中で、自分の中にある「発達障害かも」と言う問いに対して、何らかの答えが見えてくる事もあるでしょうし、楽になる事もあるかも知れません。一緒に悩みや不安を分かち合えれば素敵ですね、そう思います。

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Q5.どんな雰囲気の会ですか?集まってどんなことをするの?楽しい?

A5.参加される一人ひとりの参加者さんによって、定例会の雰囲気は毎回違ってくるかも知れませんが、全体的にはとても和やかに進んでいくグループだと思います。また、深刻な悩みを抱えてらっしゃる方、相談したい方、人とのつながりを感じたい方などいろいろな方が参加しています。そして、参加して、色々な気持ちに出会い、そして結果的には、不思議と微笑みや笑顔が溢れるようなところがあるみたいです。とはいうものの、どうなるかは、参加してのお楽しみです。

定例会では、「近況報告をかねた分かち合い」「フリートーク」「ふりかえり」などを行ないます。
「近況報告をかねた分かち合い」では、今の気持ちや体調などを語り合うことで、今の自分がどのようなのかを分かち合っていきます。丁度アイスブレイクみたいなところでもあります。

その後、メインの「フリートーク」を語り合います。ここではテーマとかは全くの自由です。それぞれが、語りたい事を語っていきます。

そして、終わりがけに「ふりかえり」を行ないます。ここでは、フリートークなどのワーク中で語り残した事や、伝えたい事、残っている気持ちなどを語り合う事で、スッキリした気分で帰っていただきたいという狙いがあります。本当に色々な出会いがあり、とても楽しいですよ。

Q6.会の特徴的な点とか、特に変わった点とかはあるの?

A6.私たちの定例会(ワーク)では、基本を、「ベーシック・エンカウンターグループ(非構成的エンカウンターグループ)」にしています。ベーシック・エンカウンターグループとは、心理カウンセリングの元祖であるカール・ロジャーズが考えだしたグループワークです。出会いの場(グループ)とか、言われています。

このワークでは、他者との心理的な出会いや、自分との心理的な出会いがあります。心や気持ちに出会う事で、その人なりの人となりを知り、共感したり、自分に気づいたり、深くて親密な関係を体験したりします。そして「今ここ」で感じている事を大切にしていきます。

また、定例会とは別に、「アクティ部」という課外活動もあります。こちらは、みんなで遊びに行く部活動のようなものです。

このアクティ部では、年に数回、近畿圏内で社会見学、モノづくり体験、プール・温泉、お花見・ピクニックなどを行なっています。

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Q7.「発達障害の当事者会に参加してみたいけど、初めてで怖くて、なかなか踏み出せない…」という当事者さんも多いと思います。そんな当事者さんに向けてメッセージをお願いします。

A7.初めは怖く感じるし、一歩踏み出すのに勇気がいりますよね。ここに来るだけでもすごく大きな出来事だと思います。その一歩を踏み出すのは凄い事だと思います。最初は不安かも知れないけれど、馴染めるといいなって思います。あなたにとっての、居場所に感じていただければとても嬉しいです。いつでも大歓迎ですよ。

もちろん、参加してみて、しんどくなったら、無理せず自分のペースで休む事もできます。そして、無理しない範囲内で、ちょっとでも関われるのなら、嬉しいです。応援しています。

Q8.最後に、当事者さんのみなさんに伝えたいメッセージがあればどうぞ。

A8.今はまだ、発達障害の私たちにとっては、生きづらい世の中かも知れません。私たちのグループに参加する中で、自己肯定感が育っていって、生きづらさが解消されていって、イキイキと自分の生を楽しめるような人になっていければいいなぁって、そう願っています。

そして、いつかきっと、みなさん自身が、経験してきた安心安全感や自分の居場所の感じを、何らかの形で地域や別の方々に還元していかれれば、それもまた素敵だなぁって想像しています。

まずは、そのままの自分でいいんだって、実感してくるまでは時間がかかるかもしれません。少しずつでも一緒に歩めればと願っています。そんな願いを抱えている仲間がたくさんいることを知って欲しいと思います。

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